2014年7月2日水曜日

7月 大人クラス 梅雨時、水彩紙が風邪をひきました Japanese Rainy Season and watercolor papers

大人クラスでは、最高級水彩紙と言われるアルシュというフランスの紙を使っています。絵の具の発色も水の含み加減も信頼のおける紙です。ただ、個人的には、サイジングが強いので、そのままスケッチ風に軽く着色すると、始めは絵の具がのりにくいので、水張りしてから描くほうが、サイジングが薄くなり、描きやすいように感じます。 

サイジングとは、簡単に言えば、絵の具の滲み止め。漉いただけの紙に絵の具で絵を描いても、絵の具が滲むだけで、絵を描くことは出来ないので、動物からとるゼラチン質の液で紙を加工することをいいます。 

和紙の場合は、膠(動物のゼラチン質から作る)を、溶かした物をドーサといい、その液を塗った紙をドーサひきの紙といいます。

2年程前から、お教室ではスケッチブックには、アルシュと同レベルのウォーターホードのスケッチブックを使っています。 ウォーターホードは、水張りしたアルシュ位絵の具の含みがよく、ちょっと和紙に近い塗り心地がします。どちらかと言うと、サイジングの弱い紙です。描き易いので、生徒さん達のお気に入りのスケッチブックです。 ところが、先月、千葉の生徒さんのスケッチブックの紙に異変が起こりました。絵の具が、滲み色が濃く出ません。川越の月曜クラスでも、同じ様になったスケッチブックもあります。ネットで調べると、水彩紙が風邪を引くというのだそうです。

写真は、風邪を引いたスケッチブック。ウエットインウエットで空を描くつもりでしたが、滲みすぎて、もやのようになりました。
納得がいかないので、メーカーのお客様相談室に問い合わせたところ、湿度で、サイジングが変質したのでは・・・というお答えでした。なるほど・・・この日本の梅雨の湿度と温度は、ウォーターホード紙にとって、想定外と言う訳です。

今日、スケッチブックを買った画材店に行き、同じスケッチブックと交換して戴きました。
梅雨明けまでまだかかりそうです。これから、このままウォーターホードのスケッチブックを使うべきかどうか、思案中・・・やっぱりサイジングの強いアルシュがいいのかな・・・最近、日本でも最高級水彩紙が発売されているので、そっちも試すべき?  それとも、5月頃からビニール袋に乾燥剤といっしょに入れておくのも、安全作かもしれません。



0 件のコメント:

コメントを投稿