サイジングとは、簡単に言えば、絵の具の滲み止め。漉いただけの紙に絵の具で絵を描いても、絵の具が滲むだけで、絵を描くことは出来ないので、動物からとるゼラチン質の液で紙を加工することをいいます。
和紙の場合は、膠(動物のゼラチン質から作る)を、溶かした物をドーサといい、その液を塗った紙をドーサひきの紙といいます。
2年程前から、お教室ではスケッチブックには、アルシュと同レベルのウォーターホードのスケッチブックを使っています。 ウォーターホードは、水張りしたアルシュ位絵の具の含みがよく、ちょっと和紙に近い塗り心地がします。どちらかと言うと、サイジングの弱い紙です。描き易いので、生徒さん達のお気に入りのスケッチブックです。 ところが、先月、千葉の生徒さんのスケッチブックの紙に異変が起こりました。絵の具が、滲み色が濃く出ません。川越の月曜クラスでも、同じ様になったスケッチブックもあります。ネットで調べると、水彩紙が風邪を引くというのだそうです。
写真は、風邪を引いたスケッチブック。ウエットインウエットで空を描くつもりでしたが、滲みすぎて、もやのようになりました。
納得がいかないので、メーカーのお客様相談室に問い合わせたところ、湿度で、サイジングが変質したのでは・・・というお答えでした。なるほど・・・この日本の梅雨の湿度と温度は、ウォーターホード紙にとって、想定外と言う訳です。
今日、スケッチブックを買った画材店に行き、同じスケッチブックと交換して戴きました。
梅雨明けまでまだかかりそうです。これから、このままウォーターホードのスケッチブックを使うべきかどうか、思案中・・・やっぱりサイジングの強いアルシュがいいのかな・・・最近、日本でも最高級水彩紙が発売されているので、そっちも試すべき? それとも、5月頃からビニール袋に乾燥剤といっしょに入れておくのも、安全作かもしれません。
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